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BAクリエイターズサロン:
21世紀の情報基盤であるブロードバンドによって、21世紀型サービス、ビジネスを創出する時代、コンテンツが主役になる時代です。BAクリエイターズサロンは、デジタルコンテンツに関係する経営者、管理者、クリエイティブ部門担当等を対象とし、ブロードバンド時代のデジタルコンテンツ・クリエイターの育成・支援を目的に、為ケ谷顧問を座長とし、次世代を担うクリエイターをお招きし、3カ月に1回程度、勉強会と名刺交換会を開催しております。
これまでの実施状況は こちら(PDFファイル)、実施概要は下記に掲載。

Sep 07, 2012

第19回BAクリエイターズサロン


講師:石川淳哉 氏(株式会社 ドリームデザイン CEO)


  開催日時:平成24年9月7日(金) 19:00~21:00
  開催場所:東放学園キャリアーサポートセンター

テーマ:「クリエイティブの可能性 for 3.11」


参加者数:36名

講演会場風景と講演概要
第19回目となるBAクリエイターズサロンは、「助けあいジャパン」と言う公益社団法人を立ち上げて、3.11大震災の被災地復興支援活動を続けられている、石川淳哉氏(株式会社 ドリームデザインCEO)をお招きしました。 「クリエイティブの、新しい時代に向けて」をテーマとして、助けあいジャパンの活動を通して、震災以降に起きたクリエイティブをみながら、世界中の「クリエイティブは、果たして何の為に存在するのか?」皆で考えましょう、というのが今回のサロンの内容でした。

石川氏は、「ドリームデザイン」と言う広告会社を経営し、世の中に驚きをもたらすドリームなデザインを創り出す事を会社のミッションとされています。「3.11」以降、なぜ「助けあいジャパン」と言う活動に辿り着いたかを、氏のこれまでの活動を通してお話して頂きました。
2001年ごろ、科学やマーケティングの視点から世界を見直す文章がインターネットのチェイン・メールで拡がった。その「世界がもし、100人の村だったら」と言う文章は翻訳され、子供たちに向けて絵本になって出版された。母親から子供へのプレゼントとして大ヒットとなった。氏は、プロジェクトやCM制作にも携わる。2002年に開催されたワールドカップサッカーでは、選手が一人もいない国立競技場のスコアボード大画面でリアルタイムに試合を見る「2002FIFA WORLDCUP PUBLICVIEWING TOKYO」と言うイベントを企画、スポーツイベントにおけるメディアを活用した手法として高く評価され、2003年のカンヌ国際広告祭で金賞を受賞した。(クリエイティブディレクター:高松聡氏、イベントプロデューサー:小林大介氏)
氏は、広告分野における活躍を続ける中でも、自らの将来に向けて思いを巡らしている時に、次の様な言葉に出会ったと言われる。
「すべての人間には利己的な面と、無私で献身的な面がある。私たちは利己的な部分だけに基づいてビジネスの世界を作った。無私の部分も市場に持ち込めば、資本主義は完成する」( グラハム銀行総帥のムハマド・ユヌス氏)  資本主義は、未だ途中であると言われており、社会の仕組みを作りなおす上で、自分でも何か取り組める事があると考え、ユヌス氏の「Love & Power」の両方を持てと言う事に共感したと言われる。
そして「3.11大震災」が起き、時代と時間がスリップしたと感じ、「世界最大震度の地震により引き起こされた大災害であったのだから、復興のエネルギーも世界最大にしなければならない。」と思い行動を開始した。
震災の直後に情報のプロボノ(専門家が、職業上持っている知識・スキルや経験を活かして社会貢献するボランティア活動)達が集まり、「Pray for Japan」のロゴデザインを行い、インターネットを通してPDFファイルで世界に発信し被災地支援を呼びかけた。
そして、被災して助けを必要とする人達と、助けたい人達をつなぐサイトを開設して、人と人をつなぐ活動を拡げている。復興のための正しい情報やニーズを届ける「助けあいジャパン」の情報収集実行チーム「助けあいジャパン情報レンジャー」は、現地に埋もれた情報をダイレクトに集め、被災地からの声を受け取り、すぐに届けるべき場所に届ける活動を行っている。これを継続した活動にして行く事が大切だと考え、民と官の連携による初めてのクラウド組織、公益社団法人「助けあいジャパン」を組織した。日本は、地震大国であり、南海トラフによる地震予測などもされており、若し災害が起きても直ぐに人々の生活が取り戻せる様にするための、グランドビジョンをしっかりと考えておかなければならない。情報は、今や重要なライフラインである。普及している携帯端末は、被災地においては情報の点であり、それ等をつないで行く事で線になり、それが面になってライフラインを作り上げる事が出来る。

石川氏は、今年の始めに世界銀行総会のテーマの一つとなる防災に関し、ソーシャルメディアと防災の関わりについてのプレゼンテーションを行っている。
 「解決しなければならない問題があれば、それを提起して皆に見てもらう。そのためにはクリエイティブが必要である。そのクリエイティブにより、皆さんが問題に気付いてくれるようにする事が重要である。」と締めくくられた。

サロンに参加された皆さんからも、次の様な感想が寄せられている。
  • 社会貢献に対してクリエイティブを持ち込む方法論、そして人とのつながり方について考えさせられた。
  • 一つのプロジェクトを、異なる立場の人たちが運営している方法論が参考になった。
  • 震災の事、忘れかけていたけど被災地に行こうと思った。
  • 「クリエイティブ」という言葉に対して可能性、夢が広がった。
  • 「Creative」とは、全てをゼロからつくりだしていくイメージだったが、既にあるものを出来事に対して適合させて行くこともクリエイティブであると考えさせられた。

石川氏は、「クリエイティブをピュアに展開したい。シンプルにやりたい事をやるなかで、社会に貢献していると言う、自然体で熱い仕事をしたい。」
これが、石川氏の考える「クリエイティブ」の芯であると感じた。
震災からの復興は、これからである。私たちに被災地の「今」を伝えてくれる「助けあいジャパン」情報レンジャーの活動を、これからもサポートして行きたいと思います。

ありがとうございました。


(文責 為ヶ谷秀一)

講師プロフィール:
株式会社ドリームデザインCEO
株式会社イナズマCEO|公益社団法人助けあいジャパン創始者幹事長
企業やプロジェクトのコミュニケーション活動を『つむぐ』ことができる数少ないエクゼクティブプロデューサーの一人。
ユニークなクリエイティブ手法は、カンヌ国際広告祭、NYADC などで評価されている。
ピースアートプロジェクト「retired weapons」でベルリン、ミラノ、ロンドンを巡回展示。
大学コンソーシアム京都(京都50 大学が参加)非常勤講師。「宣伝会議」講師。