top > BAの活動

BAクリエイターズサロン:
21世紀の情報基盤であるブロードバンドによって、21世紀型サービス、ビジネスを創出する時代、コンテンツが主役になる時代です。BAクリエイターズサロンは、デジタルコンテンツに関係する経営者、管理者、クリエイティブ部門担当等を対象とし、ブロードバンド時代のデジタルコンテンツ・クリエイターの育成・支援を目的に、為ケ谷顧問を座長とし、次世代を担うクリエイターをお招きし、3カ月に1回程度、勉強会と名刺交換会を開催しております。
これまでの実施状況は こちら(PDFファイル)、実施概要は下記に掲載。

Dec 20, 2010

第13回BAクリエイターズサロン


講師:川井 拓也 氏 株式会社ヒマナイヌ 代表取締役 メディアコーディネーター

  開催日時:平成22年12月20日(月) 19:00~21:00(18:45開場)
  開催場所:東放学園キャリアーサポートセンター

テーマ:「USTREAMビジネス活用術」


参加者数:31名

講演会場風景と講演概要
早くからmixiなどのSNS(Social Networking Service)に関心を持っていた講師の川井氏は、ソフトバンクがUSTREAMに出資をすると発表したその日に、孫社長に"誰でも使えるスタジオを"とTwitter で提案したら、孫社長より即座に快諾を得たことがUSTREAMに関わるきっかけとなったと言われた。これが、ライブスタジオブームの始まりであった。今回のBAクリエイターズサロンの講演では、講師が自ら手がけてきたオルタナティブな中継から、トヨタ、資生堂、貝印などの企業中継の経験をもとにして、これからのライブメディアの活用について、幾つかの事例が紹介されると共に、具体的な活用を図るために考えなければならない事項について実践的な講演をして頂いた。



川井氏は、USTREAMは「空間的なメディア」と捉えている。ネットワークによりライブ中継を行う事は、中継をしている会場を空間的に拡げる事と同じ事になると考えている。一人のパーソナリティで中継が出来る、デジタルモデレーターと言う新しい概念も創り出している。

講演では、
(1)企業のUSTREAM活用事例
   企業のライブ中継の活用には、・イベントに中継を足す、・プロセスを中継する、・中継のために企画する、・帯番組を自社メディア化する、などの取り組みがある。
(2)瞬間最大とのべ視聴者数の捉え方
   従来の視聴率とは違った捉え方が必要である。
(3)集客方法とフィードバック対策
   中継をするだけでは視聴者は集まらない。集客導線の確保や現場フィードバックによるコミュニケーションを図ることが重要である。
(4)USTREAM効果測定
   効果測定は次の企画のために不可欠であり、専用のソフトウエアの積極的な活用が必要である。
(5)中継に必要な機材と品質の関係
   必要な機材は、中継の中身を考えて構成する必要があり、画質、音質を高めるためには、ネットワークに送出するデータのエンコードなどに技術力が必要である。
以上、5項目にわたってコーポレートメディアの実践的活用術が紹介された。

その中から、幾つかのキーワードを次に紹介する。
・企業内セミナーやライブステージ中継によるプロモーションなどのUSTREAMの活用においては、そのプロセスを中継する事によって視聴者とのコミュニケーションが拡がり、何時でも傍にあると言う感覚を創り出すために、帯番組にするなどの中継のための企画が大切である。
・「ライブメディアは、空間メディアである。言葉で映像の中や外とコミュニケーション出来るので、深度のある体験になる。」
・このメディア空間を広げるためには、集客方法にも注力する必要があり、Twitterでのコメントなどに中継会場から視聴者へフィードバックする事などが大切である。
・USTREAMの効果測定には、専門のソフトウエアも開発されており、それらを活用する事で、視聴者の時間軸での変化等を分析し、その波及効果を見ながら次の企画に生かして行く事も大切な取り組みの要素である。
・ライブ中継において大切な事は、中継を中断させないことであり、そのためのバックアップのネットワークなどもしっかりと考えて置く事が必要である。ネットワークの伝送特性に適合したデジタルデータにするためには、ネットワークや信号圧縮技術(エンコード技術)に対する知識と技術力が必要になって来る。
・中継オペレーションを確実に行うためには、設備的にはコンパクトであって、機能的には映像、音声、データエンコード、記録などがオールインワンになっていると使いやすい。

USTREAMの活用は、従来の放送メディアとは違ったコミュニケーションメディアとして広がりを示して来ており、ブロードバンドネットワークによるメディアの高品質化が進む事により、多様な分野への広がりが期待されている。

(文責:為ヶ谷秀一)




講師プロフィール:
株式会社ヒマナイヌは、「広告」「教育」「アート」を主なフィールドとするディレクションカンパニーである。同社は、Ustreamによるソラノート主催の「朝までダダ漏れ」(第一回)のテクニカルディレクションをはじめ、「宇宙酒場~おかえりはやぶさ!七夕パーティ!」、「ソーシャル鍋」、「Ustreamer 養成講座」、「東京土木水路ツアー」、「オンエアーイーストライブ」、「ネイキッドロフトトークライブ」など数多くの中継企画で実験的な試みを行っている。これらの中継で培ったハードウェアおよびソーシャルストリームに関する知見を活かしトヨタ自動車、日本コカ・コーラ、葵プロモーション、アドビシステムズ、リビタ、 システム5 などの企業系ネット生中継を担当。SD画質からHD 画質まで状況に応じた中継をコーディネートしている。
http://www.facebook.com/takuya.kawai

<参加者の声(一部抜粋)>
・駆け足でしたが、効果測定やLiveメディアで意識する事等の話が参考になった。実績よりも、実践的な話に、もっと話を裂いて欲しかった。ですが、全体的に面白かったです。ありがとうございました。(クリエイター/男性)

・USTEAMの現状が具体的でよく理解できた。(モバイル向けコンテンツ制作・配信/男性)

・上から下までUstreamに関わる全階層を網羅的に簡単に把握できました。(今後自分で調べるヒントが見つかりました)(インターネット通信業/男性)

・活用事例と集客方法が興味深かったです。(教育・大学助手/男性)

・Ustreamに興味がありながら、まったく勉強する機会がなかったのですが、今回はよい勉強になりました。ありがとうございました。(研究開発/男性)

・Ustreamのメディアの可能性を実感した。(クリエイター/男性)