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Apr 16, 2015

第96回BAエグゼクティブサロン


講師:渡邊智之(日本農業情報システム協会 会長、農林水産省 大臣官房 評価改善課)

テーマ:「「農業IT革命」~日本の農業を魅力あるものにするIT利活用とは~」

コメント: 環太平洋連携協定(TPP)への参加や法人化・大規模化、輸出促進等の政策により農業分野は大きな環境変化の中にある。また、政府の「世界最先端IT国家創造宣言」で大きく採り上げられるなど、農業分野へのIT・データ活用への関心が高まっている。このような背景の中、農林水産省 大臣官房 評価改善課 情報室に勤務し、BAの中に設置した「スマートプラットフォーム・フォーラム」のスマートアグリ分科会メンバーとしても活躍している渡邊智之氏に、日本の農業を魅力あるものにするIT利活用について語って頂いた。

はじめに、今後の法人化・大規模化の進展に伴い、ITを使った生産管理・経営管理・会計支援による経営の経営の効率化、食農インフラ、オープンデータ・ビックデータ利活用による食のバリューチエーン構築が必要であると述べた。

次に日本の農業を魅力あるものにするIT利活用、シェアリング・マツチング(農業生産者の情報伝達、人材育成、農薬散布、作物情報、流通・小売におけるバイヤーの新たな役割、農地売買・賃貸、農機シェアリング、スマート家電との連携、貸付判断・災害補償判断等)、シミュレーション(ビックデータを活用した事業継承に向けた各種シュミレーション、コスト分析、コストシミュレーション、作付けシミュレーション等)、トレーサビリティ(逆方向情報の流れ)、可視化(農地管理、病害虫サーベランス等)、ナレッジ・ノウハウの知財化(農家の体制・フローの定型化(GLOBALGAPの取得によるIT導入しやすい体質)、県の普及指導員・農協の営農指導員の「アグリデータサイエンティスト」に育成)等の取り組みと、それらによるブランドの確立や意思決定支援などについて各地の実例や最新の動向を紹介した。

最後のまとめとして、①現在は、5%の先駆者がトライアルしている状況。②農業生産者にもPC、携帯は普及しており、ITリテラシーは無関係。③IT導入しやすい体質になる農業生産者のフローや体制の標準(GAP等)が先決。④農業生産者に定量的メリット(効果)が出ている成功事例はまだほとんどない。⑤人件費を意識していない方が多く、効率化だけでの訴追では不足。⑥同じ品目であっても地域・業態によって求めている機能は違う。⑦農業生産者の情報が分断されており、結ぶ事によるメリットは無限にある。⑧ジャパンブランド向上には、生産物のクオリティ・生産者のスキルの定義が必須。⑨最大収益を得て、リスクを最低限にするシミュレーションの実現が求められていると述べた。

今回のサロンの参加者(=IT関係者)は予想より多く、農業分野への関心の高まりを感じる。交流会では農業分野のビジネスの難しさ、課題が議論された。

参加者数:29名