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Nov 20, 2014

第92回BAエグゼクティブサロン


講師:藤原洋(株式会社ブロードバンドタワー 代表取締役会長兼社長CEO)

テーマ:「日本のICT/IT産業の行方を左右する2015年/2045年問題とは?」

日時:11月20日(木)18:00~20:30

場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)

コメント: インターネット総合研究所の所長でもある藤原洋氏に、通信業界が主導するICT (情報通信技術)とコンピュータ業界が主導するIT(情報技術)に関わる産業は、 各々約16兆円/7.5兆円市場だが、2015年と2045年に大きな転換点を迎える。 この節目となる2つの年の問題について語って頂いた。

2015年問題は、極めて現実的な問題。①今まで年金保険料を負担していた側 の人たちが、一挙に給付される側に回る。②IT受託の仕事が集中(IT技術者不 足)、その後に急減!による人余り、日本IT業界の弱点(未だBefore Internet の状態)による中国・インド企業と競争力の問題である。

2045年問題は、30年後に訪れる、人類の知能と 人工知能との関係性を問う 極めて本質的な問題。1993年米数学者ヴァーナー・シュテファン・ヴィンジが、 ムーアの法則の到達点として、「技術的特異点(Technological Singularity)」= “コンピュータが人類を超える日が2045年にやってくる“と提唱。1997年チェス 専用コンピュータ・ディープ・ブルーが世界チャンピオンに勝利し、AIブームが再 来。2009年レィモンド・カーツワイル(現Google所属)主導で「特異点大学」が NASAの構内に設置され、主に米国で検討、研究が進められている。

2045年問題は、強いAI(人間の脳の働きに基づいた特殊な「プログラム」を使う などすれば、真の自意識や「思考」が生まれる)と弱いAI(機械が真の知性を獲 得することはあり得ないが、チェスにおけるディープ・ブルーのような問題解決や 推論を行う)の二つの見方/立場があり、「技術的特異点」以降の問題(超知能 の危険性等)についても触れた。

最後に、「AIとはAfter Internetのこと」(仮説)、海外では軍事研究、インター ネット起業家による人工知能指向が加速しており、「日本は第5世代のトラウ マを超えてAI(After Internet AI)時代を見据えて何をすべきか考える時」で あると述べた。

参加者数:28名