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Jan 23, 2014

第84回BAエグゼクティブサロン


講師:斉藤賢爾氏(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任講師)

テーマ:「ビットコイン《人間不在のデジタル巨石貨幣》とデジタル通貨の未来」

コメント: 斉藤先生に、世界各地で急速に普及しはじめているデジタル通貨 ビットコインとは何か、なぜ今デジタル通貨が必要とされ、それがもたらす未来とはどんなものなのかを語って頂いた。

はじめに、「通貨」は物理的というより仮想的で不思議な存在。代表的な通貨である「法貨(円・ドル・ユーロ等)」は「額面上いつまでも同じ価値」があり他の商品に絶対的な優位性を持ち、「希少」、「利子」がつくことから、経済の敗者、冨の集中が生まれ、変動相場性による暴落の危険性もある。また、資金洗浄/違法な売買にも使用される。

ビットコインは、「必要なのは、信用ではなく暗号学的証明にもとづいた電子的決済システムである」の信念に基づいて開発されたデジタル通貨、単位はBTC、商品として売買されている。デジタル通貨BTCは、デジタル署名のチェイン(連鎖)として表現される。BTCの作成・取引は、グローバルで単一な元帳(ブロックチェイン)に記録され、偽造防止機能が組み込まれ、すべての取引は追跡できる。また、新しいBTCの作成=マイニング(採掘)は、鉱物資源を模し、2140年までに2100万BTC以上はつくられない仕組みになっており、現代の「貝殻貨幣」あるいは「巨石貨幣」と呼ぶべきものである。 ビットコインは、①秘密鍵の紛失・漏洩に対する保障がない、②健全性に対する保証がない、③3層のギャンブル性(グローバリズムへの加担、投機の助長、マイニングに潜むギャンブの構造)があり、“人間不在のデジタル巨石貨幣”ではないかと述べた。

デジタル通貨の未来の説明に当たって、ジャン=リュック・ピカード氏の言葉“未来の経済、ちょっと違っているのです。24世紀には、お金は存在しないのですよ。・・・冨の獲得は、もはや私たちの生活の駆動力ではなく、私たちは、自分と社会をよりよくするために働いているのです”を紹介した。「貨幣」のない社会の原点は「家族」にあり、「家族→貨幣は不要」を底辺、その上に「信用経済→地域通貨や「人間のデジタル通貨」、水面上に「法貨」を置く「経済と信用の氷山モデル」を紹介。ものごとはすべて水面下で成し遂げられるのが理想と述べ、「貨幣は信用・信頼の代用品」と考える「人間のデジタル通貨」の原理を紹介した。

卓話後の交流会では、英国で、ただ同然で手に入れたビットコインの価額が高騰し7億円相当になったが、ビットコイン(の秘密鍵が)入ったハードディスクを無くし、パーになった。ビットコインが流通している国はどこか(最大は中国)、ビットコインの発明者は誰か、各国はビットコインをどのように扱うか(通貨と認めるか)、日本で今後普及するかなど話題が尽きなかった。

参加者数:24名