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Dec 11, 2014
Nov 20, 2014
第92回BAエグゼクティブサロン
講師:藤原洋(株式会社ブロードバンドタワー 代表取締役会長兼社長CEO)
テーマ:「日本のICT/IT産業の行方を左右する2015年/2045年問題とは?」
日時:11月20日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: インターネット総合研究所の所長でもある藤原洋氏に、通信業界が主導するICT (情報通信技術)とコンピュータ業界が主導するIT(情報技術)に関わる産業は、 各々約16兆円/7.5兆円市場だが、2015年と2045年に大きな転換点を迎える。 この節目となる2つの年の問題について語って頂いた。
2015年問題は、極めて現実的な問題。①今まで年金保険料を負担していた側 の人たちが、一挙に給付される側に回る。②IT受託の仕事が集中(IT技術者不 足)、その後に急減!による人余り、日本IT業界の弱点(未だBefore Internet の状態)による中国・インド企業と競争力の問題である。
2045年問題は、30年後に訪れる、人類の知能と 人工知能との関係性を問う 極めて本質的な問題。1993年米数学者ヴァーナー・シュテファン・ヴィンジが、 ムーアの法則の到達点として、「技術的特異点(Technological Singularity)」= “コンピュータが人類を超える日が2045年にやってくる“と提唱。1997年チェス 専用コンピュータ・ディープ・ブルーが世界チャンピオンに勝利し、AIブームが再 来。2009年レィモンド・カーツワイル(現Google所属)主導で「特異点大学」が NASAの構内に設置され、主に米国で検討、研究が進められている。
2045年問題は、強いAI(人間の脳の働きに基づいた特殊な「プログラム」を使う などすれば、真の自意識や「思考」が生まれる)と弱いAI(機械が真の知性を獲 得することはあり得ないが、チェスにおけるディープ・ブルーのような問題解決や 推論を行う)の二つの見方/立場があり、「技術的特異点」以降の問題(超知能 の危険性等)についても触れた。
最後に、「AIとはAfter Internetのこと」(仮説)、海外では軍事研究、インター ネット起業家による人工知能指向が加速しており、「日本は第5世代のトラウ マを超えてAI(After Internet AI)時代を見据えて何をすべきか考える時」で あると述べた。
参加者数:28名
Oct 27, 2014
第26回BAクリエイターズサロン
講演テーマ:ゲームエンジンにおけるインタラクティブ映像の可能性
講師:尾小山良哉 氏(株式会社wise 代表取締役)
講演概要: UnrealEngine4を使用し、プリレンダーでのフォトリアルな人物表現の技術とクオリティをリアルタイムへ移行、再現する手法とワークフローを解説します。
参加者数:31名
詳細はこちら(PDFファイル)http://www.npo-ba.org/BACS_26_1027_s.pdf
講演会場風景
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Oct 16, 2014
第91回BAエグゼクティブサロン
講師:杉本誠司 氏(株式会社ニワンゴ 代表取締役社長)
テーマ:「インターネット産業革命時代を生き抜く思考法」
日時:10月16日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: ニコニコ動画を運営するニワンゴの代表取締役社長の杉本誠司氏から、近年のニコニコ動画などの動画サービス、ソーシャルメディアの出現により、世の中がどのように変化してきているか、ネット事業者はどのような視点からどのようことを起こそうとしているか/起きてきたのかを中心に、今後どういったビジネスの可能性があるのかを語って頂いた。
はじめに、ニコニコ動画は、動画視聴サービスでなく、動画(コンテンツ)という共通の話題を通じ、ネット上で多くの人とつながり、出会う喜びを感じる場(コミュニティ空間)。コミュニティの本質は、お互いの行為が、お互いの存在を認識したり、評価したり、自分の存在(価値)を認識したいという自己認識欲“自分さがしであると述べた。また数字で見るniconicoを紹介した(登録会員数:、約4,124万人、プレミアム会員数:約229万人、ニコニコチャンネル:5,300CH以上、事業売上高:4,602百万円/2014年3Q)。
niconicoは、“マス”ではない“セグメント”の集合体としての巨大コミュニティ空間、歌ってみた/踊ってみた/ボカロ/ゲーム実況/政治/技術といった単独構成(深く・狭い)セグメントの集合体。ネットサービスは、テレビと異なり、お茶の間への情報配信と共有、コンシューマの挙動によってコンテンツが変化する新しいメディア環境の誕生であると述べた。また、ニコニコ超会議はセグメント空間の集大成、ネットを日常と定義した“非日常”を演出するリアルイベント、開催主体はniconico運営でありながら、コンテンツを創り出し提供する(演じる)のはユーザであり、それを受け取る(観客)もユーザ。ニコニコ超会議3の来場者12万5千人、ネット来場者786万人、赤字7千万円、広告換算価値28億6千8百万円と述べた。
niconicoを理解する上で大切なことは、受領者(ユーザ)の究極的な目的は、「自己認識欲の充足“自分さがし”」と捉え、コンテンツの摂取はそのための手段と理解した上、セグメントに合わせたコンテンツ、メデイア作りの思考にある。ネットサービスを思考するうえで大切なことは、これまでのメディアの代用品ではない“ネットサービスの価値”(Internet(Web)Oriented ⇒User(Customer)Oriented)を提供することにあると述べた
最後にKeyword?として、次の言葉を上げて締めくくった。・Open environment、・Interactive infrastructure、・Real(time)communication、・Eco cycle、・Cluster(No mass)、・Democratic、・Value Paradox、・Meaning unknown, Not understand。
参加者数:44名
Sep 19, 2014
第90回BAエグゼクティブサロン
講師:濱島秀夫氏(内閣官房内閣参事官(情報通信技術(IT)総合戦略室)
テーマ:「世界最先端IT国家創造宣言と工程表の改定等について」
日時:9月19日(金)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: はじめに、「世界最先端IT国家創造宣言」を昨年6月に策定し、今年6月に工程表の改定が行われ、閣議決定されている。この概要は、配布資料を読めば分かるので、ここでは、参考資料のパーソナルデータの利活用、オープンデータに関する取組に絞って説明すると述べた。
ビックデータ時代が到来しているが、個人情報として取り扱う範囲の曖昧さ(グレーゾーン)の為に、利活用を踏襲する「利活用の壁」が出現している。この壁を取り払い、個人の権利利益を確保しつつ、新産業・新サービスの創出と国民の安全・安心の向上等のための利活用を実現するため、来年度の通常国会に個人情報保護法等の関係法令の改正案の提出予定している。制度改正の方向性としては、①本人の同意がなくともデータを利活用可能とする枠組みの導入、②基本的な制度の枠組みを補完する民間の自主的な取組の活用、③第三者機関の体制整備等による実効性のある制度執行を挙げた。この法制化の主体はIT総合戦略室(消費者庁、特定個人情報保護委員会、総務省、経済産業省、厚生労働省の併任者を含む)で、関係省庁等と調整して進める。この活動は、昨年6月に政府全体のIT政策及び電子行政の推進の指令塔として、府省横断的な権限を有する内閣情報通信政策監(政府CIO)が設置されたことにより可能になった。
政府CIOによる政府情報システム改革の実績として、①政府情報システム改革ロードマップを策定し、2018年度までに、システム数半減を達成見込み(1,450→619、57%減)、②厚生労働省における年金関連システムの年間251億円のコスト削減計画の策定、ハローワークシステムの年間80億円を超える削減に目途、を挙げた。また今後の取組として、2022年度までの年間運用コスト3割圧縮、マイナンバー、農地台帳電子化など国・地方、地方間のシームレスな連携も推進する。 オープンデータに関しては、メタデータを活用して府省横断的に検索できる「データカタログサイト」の試行版(重点分野の1万を超える全府省のデータを掲載)を昨年12月に立ち上げ、6月に各省庁のホームページで公開しているデータについて、基本的自由な二次利用を認めることとする「政府標準利用規約(第1.0版)」を決定した。今後の予定としては、①データカタログサイトは、平成26年10月に本格版に移行、②公開データの利活用、オープンデータの取組の地方自治体への普及等を推進すると述べた。
最後に、内閣総理大臣を本部長とするIT総合戦略本部、その基で活動する、政府CIOを会長とする新戦略推進専門調査会等の体制について説明した。
参加者数:19名
Sep 08, 2014
Aug 05, 2014
第89回BAエグゼクティブサロン
講師:森川博之氏(東京大学先端科学技術研究センター 教授)
テーマ:「M2Mが切り拓くデータ駆動型経済」
日時:8月5日(火)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: 森川先生には、2年前の「第5回ブロードバンド特別シンポジウム」でビックデータについて語って頂いた。その時、パーソナルなビックデータは米国勢(グーグル等)に歯が立たないが、モノのビックデータ/M2Mは日本が対抗できる新たな成長分野と捉え、研究開発を進めていると述べた。今回、その後の状況、取り組みを「M2Mが切り拓くデータ駆動型経済」のテーマでお話し頂いた。
はじめに、今年のショックだった出来事として、米グーグルが空調制御を行うサーモスタットを製造/販売する米Nestという企業を32億ドル(約3,200億円)で買収したことを挙げた。このメーカが作るサーモスタットは、米国内の家庭内で壁に取り付けて使われるもので、収集したデータをWi-Fi経由でスマートフォンに集め、スマートフォンで各種機器の制御ができるものである。森川先生は、この会社を数年前から知っていて、その価値は日本円でせいぜい100億円程度と見ていた。しかし、グーグルはこの買収により、家中のデータを集めるきっかけを作ることができ、そこ(データを集めること)に32億ドルの価値を見出した。
データを集める機構には、①「コンテンツ」を集める機構→ソーシャル化、②「行動情報を集める機構」→個人化、③「モノの情報」を集める機構→スマート化、M2M/IoT(Internet of Things)がある。Facebook 、Google等は、①、②のパーソナルデータを集める機構により新たなビジネスを起こしている。今後は、先の事例に示すように、③の「モノの情報」を集める機構,M2Mによる新たなビジネス、「データ駆動型経済」が注目されると述べた。
次に、ICTは蒸気機関や電気と並ぶ「汎用技術」であり,ICTが真に社会に溶け込み産業構造,経済構造,社会構造までをも変革するには、さらに数10年を要する.この社会変革を推進する起爆剤がIoTやM2Mであると述べた。IoTやM2Mの果たすべき役割として、土木,医療,まち,農業などを含むすべての産業領域に付加価値を与える「社会基盤としてのICT」を示した。また、データの価値が高まりつつあることを踏まえ,知識ベース資産への投資、フィールド志向の研究開発,サービス志向デザインが重要になると述べた。
交流会では、データ駆動型経済/革命に対する日本の取組の遅れ、米国指導で進められていることに脅威を感じるといった意見があった。
参加者数:25名
Jul 30, 2014
第25回BAクリエイターズサロン
講師:今村 理人 氏(マーザ・アニメーションプラネット株式会社)
開催日時:2014年7月30日(水) 19:00~21:00
開催場所:東放学園キャリアーサポートセンター
テーマ:「CGデータ共有化によるコンテンツ制作」
CG/VFXは、デジタルコンテンツを生み出す為の映像技術として、様々なメディアを 横断した産業として拡大発展してきました。昨今、インターネットメディアの台頭による既存のメディア産業の衰退、その影響による危機を一致団結し乗り越える為の業界興隆団体として12年一般社団法人VFX-JAPANを設立しました。今回は、この団体の活動と自身の業界経験談を交え、CG/VFX産業の過去、現在、そして、これからについて。
参加者数:28名
詳細はこちら(PDFファイル)http://www.npo-ba.org/BACS_25_0730_s.pdf
講演会場風景
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Jun 20, 2014
第88回BAエグゼクティブサロン
講師:小山田憲功氏(オレンジジャパン株式会社 CTO代理、BA顧問)
テーマ:「Orange Fab~オレンジの「オープン・イノベーション」への取り組み~」
日時:6月20日(金)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: 昨年の夏、フランステレコムは、社名を国名も業種を表す言葉も削ぎ落し、オレンジに改名した。このオレンジの日本におけるR&D拠点(=オレンジジャパン)のCTO代理の小山田氏に、オレンジの「オープン・イノベーション」への取組について語って頂いた。
はじめに、オレンジグループ、及びオレンジジャパンの概要を紹介した。オレンジグループの加入者数は30カ国、2億3千6百万。ビジネスサービス提供地域は220カ国、2013年の収入は410億ユーロ、社員数は16万5千。オレンジジャパンは、スタッフは9カ国から30名からなり、4つの分野(スマートネットワーク技術・サービス、未来デバイス、グリーン&持続可能開発、スマートシティ)にフォーカスした調査研究を進めている。
オレンジは、国境も業種も越えて激化するIT市場で生き残るため、長らく続いた自前の研究開発を偏重する姿勢をあらため、広く社外の英知を取り込もうとしている。その具体例として、スタート・アップ企業を支援するアクセラレータプログラム「Orange Fab」があり、東京のプログラム(Orange Fab Asia)の話題を中心に、グループのオープン・イノベーションへの取り組みについて紹介した。
東京プログラムは、オレンジグループとのミーティング、東京Demo Day からなる3ヶ月のアクセラレータプログラム、その後パリでDemo Dayが開催される。このプログラムは、オレンジグループがスタート・アップに対するアドバイスやサポートを提供、ファンド無し、イベントは世界の通信事業者も招いてオープンな形式で行っている。
昨年11月から開始した第1期の東京プログラムは、46企業から応募があり、8社が選定され、 2月からプログラムがスタート。5月に東京Demo Day、6月にパリのDemo Dayが開催され、スタート・アップ企業に5社(日本の2社を含む)が選出され、日本のベンチャが提案する製品/サービスが評価されている。完成度が高いものが選定されている。 第2期の東京プログラムは、東京に加え、ソウル、タイペイでも実施する、現在その参加募集を開始していると述べた。
交流会では、オレンジのようなファンド無しのオープン・イノベーションは珍しい、研究開発費が頂けない形式のオープン・イノベーションは、(既存)メーカにとっては厳しいとの意見も聴かれた。
参加者数:19名
May 20, 2014
May 09, 2014
第24回BAクリエイターズサロン
講師:秋山貴彦氏(株式会社4Dブレイン 代表取締役)
開催日時:2014年5月9日(金) 19:00~21:00
開催場所:東放学園キャリアーサポートセンター
テーマ:「CG/VFX産業の葛藤と世界の中の日本~クリエーターのモチベーションとは~」
コンテンツ制作のあり方が変わろうとしている。
UGC文化やクラウドファンディングの登場により、コンテンツビジネスの形態に大きな変化が見られる。そのような環境の中、より効率的なコンテンツ制作体制が求められており、CG制作についても例外ではない。IT業界と同じようにCG業界にもクラウド化の流れは始まっており、そのキーワードは「データ共有化」である。
参加者数:48名
講演会場風景
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Apr 17, 2014
第87回BAエグゼクティブサロン
講師:森内 一成氏(日本電信電話株式会社 研究企画部門担当部長 チーフプロデューサ)
テーマ:「hitoeから人へ ~NTTが考える「ウエアラブル」の本質~」
日時:4月17日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: NTT持株会社の森川チーフプロデューサから、今年1月にNTTが東レ株式会社・NTTドコモと共に発表した“着るだけで生体情報の継続測定を可能にする機能素材「hitoe」”について、ビジネスインキュベーションを担当する立場から、実物を触らせながら、分かり易く説明して頂いた。
はじめに、「hitoe」は、発案者は医者、東レとNTTの異業種連携で開発した新発想の「ウエアラブルデバイス」であり、human(人間)、intelligence(情報・知能)、to(~のほうへ)、expand(拡張する)の頭文字、一枚の布、単衣(ひとえ)の無限の可能性という意味を込めて命名したと述べた。
次に「hitoe」の技術を紹介した。今回開発した機能素材「hitoe」は、最先端繊維素材であるナノファイバー生地に、高導電性樹脂を特殊なコーティング加工技術で施すことにより、生体信号を検出できる生地素材(=ウエアラブルセンサー用電極)を実現した。この生地素材は、耐久性に優れ、肌へのフィット感や通気性も兼ね備え、これを用いた衣類を着用すると、生体信号を快適かつ簡単に計測できる。例えば、この生地素材2枚を使用したシャツに着脱可能な小型な専用端末を接続し、心拍数、心電波形をスマートフォンに表示することができる。
この機能素材「hitoe」は、日常生活の様々なシーン(職場、学校、スポーツ、運転中など)での活用が期待され、ビジネスパートナーと連携して、研究開発、ビジネス作りを進めている。NTTドコは、ドコモ・ヘルスケアの健康管理プラットフォーム「WM(わたしムーヴ)」と連携させることで、2014年中にランニング・サイクリング・登山などのスポーツ分野、健康管理をサポートするウェルネス分野でのサービス提供を目指している。
NTT研究所は、「hitoe」による生体情報計測用ウエア作成技術・設計技術、「hitoe」で計測できるものを、フィットネスクラブ事業者、スポーツウェアメーカー、介護などの医療分野の事業者と共同開発している。また、機能素材「hitoe」をM2C、M2Mで提供することにしており、「hitoe」を使った各種製品が広く世の中に出回ることを期待している。
卓話後の交流会では、「hitoe」研究開発のパートナーとの連携/ビジネスモデルの転換、ビックデータの活用により、「hitoe」の応用範囲が広がるといったことが話題になった。
参加者数:32名
Mar 20, 2014
第86回BAエグゼクティブサロン
講師:塚本昌彦氏(神戸大学 教授、NPOウェアラブルコンピュータ研究開発機構 理事長)
テーマ:「ウェアラブルコンピューティングの動向とこれから」
日時:3月20日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: 塚本教授に、ここ1、2年、メガネ型やウォッチ型のウェアラブルデバイスが多数発表され大きなブームとなってきたウェアラブルコンピューティングの動向と展望について、13年のウェアラブル実生活の体験や、10年のNPO活動を通じて得た知見に基づき、実物を見せながら論じて頂いた。
はじめに、“Google、Androidをウェアラブルに拡張するAndroid Wearを発表”、“モトローラ、LGがAndroid Wear 対応スマートウォッチを今年前半に発売”、“サムスン、「Tizen SDK for Wearables」を公開”、“ソニー『Project Morpheus』発表、プレイステーション4対応の没入型VRセット”、Google Glassが4月、Apple iWatchが今秋発売予定等の最新ニュース(情報)を紹介した。
コンピュータを体に装着することで、実生活の中での新たなコンピュータ利用が可能になり、人々の生活の大きな変革をもたらす可能性がある。この新しい巨大市場を狙って世界中の企業がコマを進めており、CES2014、MWC2014などで、多くのウェアラブルデバイス(カメラ型、ウォッチ型、ブレスレット型、指輪型、イヤホン型等)が発表された。日本企業は遅れをとっており、頑張っているは、ソニーとエプソン(とドコモ)、それにメガネの三城にすぎないと嘆いた。 br>
ウェアラブルは汎用(メガネ、ウオッチ)と、専用(ウェアラブルカメラ(アクションカム)、活動量計ブレスレット等)に分類される。現在は、用途を特化した実用性があるものの利用が進みつつある。今後は汎用のメガネ(Google Glass等)、ウオッチ(Apple iWatch等)の動向が注目される。
最後に、まとめ/予言として、メガネとウォッチは2-3年、その他のウェアラブルアイテムも5年で展開、生活の中の必須アイテムとなり、人々の生活や仕事が劇的に変わり、人々は創造的な生活を送るようになる。10年後は今のスマホ(懐中スマホ)はなくなり、ウェアラブルコンピューティングは巨大な産業を形成する。日本企業にはぜひ積極的に頑張ってほしいと述べた。
参加者数:27名
Mar 17, 2014
Feb 20, 2014
第85回BAエグゼクティブサロン
講師:舟橋 洋介氏(W3C Web and TV Interest Group 共同議長、W3C Web and Broadcasting Business Group 議長、慶應義塾大学SFC研究所 訪問研究員、株式会社トマデジ 特別顧問)
テーマ:「CES2014から考える Internet of Things と Web of Things」
日時:2月20日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: W3C(World Wide Web Consortium)の標準化活動で活躍している舟橋洋介氏に、CES2014から考える Internet of Things(IoT)とWeb of Things(WoT)について語って頂いた。 はじめに、CES2014では、昨年までのスマートフォン/スマートテレビの流れが一段落し、あらゆるモノがインターネットにつながる世界、IoT/WoTが新しい潮流となってきたと述べ、注目すべき展示内容を紹介した。
Ciscoブースでは、家の中のあらゆるモノにセンサーをつけ、ネットで繋がり、連携することで新しい世界、生活環境の変化を体験できるデモを実際の製品を使って実施していた。Qualcommは、IoTプラットフォームの標準化を視野に、セキュリティ/スマートロック(錠前)等のデモを行っていた。またIoTチップの開発も急速に進めており、スマートフォンに続いて、この分野も牽引している。 IoTのコンセプトは、以前からあったが、センザーやデバイスの小型化、低価格化により、新しい虫のような世界が実現されようとしている。ウエアラブル(身に着ける)コンピューティングを越えて、インビジュブル(見えない)コンピューティングになるとの声も聴こえた。
アメリカは、便利さを追求し、革新的なサービスやモノに向かっており、車の自動運転化も、国を挙げて取り組んでいる。IOTもしかりで、アメリカがどんどん先行している。
WoTは、IoTを土台として人間が情報をやりとりする世界。WoTは、欧州が牽引しようとしている。 最後に、日本はIoT/WoTの世界で欧米に水をあけられつつあると危機感を表した。
卓話後の交流会では、村井先生を委員長する「スマートプラットフォーム・フォーラム」、特に舟橋氏を主査とする「サービス・WEB分科会」活動が、日本のIoT/ WoTの標準化活動に貢献することが期待される、分科会に参加したいといった声も聴かれた。
参加者数:27名
Jan 23, 2014
第84回BAエグゼクティブサロン
講師:斉藤賢爾氏(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任講師)
テーマ:「ビットコイン《人間不在のデジタル巨石貨幣》とデジタル通貨の未来」
日時:1月23日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: 斉藤先生に、世界各地で急速に普及しはじめているデジタル通貨 ビットコインとは何か、なぜ今デジタル通貨が必要とされ、それがもたらす未来とはどんなものなのかを語って頂いた。
はじめに、「通貨」は物理的というより仮想的で不思議な存在。代表的な通貨である「法貨(円・ドル・ユーロ等)」は「額面上いつまでも同じ価値」があり他の商品に絶対的な優位性を持ち、「希少」、「利子」がつくことから、経済の敗者、冨の集中が生まれ、変動相場性による暴落の危険性もある。また、資金洗浄/違法な売買にも使用される。
ビットコインは、「必要なのは、信用ではなく暗号学的証明にもとづいた電子的決済システムである」の信念に基づいて開発されたデジタル通貨、単位はBTC、商品として売買されている。デジタル通貨BTCは、デジタル署名のチェイン(連鎖)として表現される。BTCの作成・取引は、グローバルで単一な元帳(ブロックチェイン)に記録され、偽造防止機能が組み込まれ、すべての取引は追跡できる。また、新しいBTCの作成=マイニング(採掘)は、鉱物資源を模し、2140年までに2100万BTC以上はつくられない仕組みになっており、現代の「貝殻貨幣」あるいは「巨石貨幣」と呼ぶべきものである。 ビットコインは、①秘密鍵の紛失・漏洩に対する保障がない、②健全性に対する保証がない、③3層のギャンブル性(グローバリズムへの加担、投機の助長、マイニングに潜むギャンブの構造)があり、“人間不在のデジタル巨石貨幣”ではないかと述べた。
デジタル通貨の未来の説明に当たって、ジャン=リュック・ピカード氏の言葉“未来の経済、ちょっと違っているのです。24世紀には、お金は存在しないのですよ。・・・冨の獲得は、もはや私たちの生活の駆動力ではなく、私たちは、自分と社会をよりよくするために働いているのです”を紹介した。「貨幣」のない社会の原点は「家族」にあり、「家族→貨幣は不要」を底辺、その上に「信用経済→地域通貨や「人間のデジタル通貨」、水面上に「法貨」を置く「経済と信用の氷山モデル」を紹介。ものごとはすべて水面下で成し遂げられるのが理想と述べ、「貨幣は信用・信頼の代用品」と考える「人間のデジタル通貨」の原理を紹介した。
卓話後の交流会では、英国で、ただ同然で手に入れたビットコインの価額が高騰し7億円相当になったが、ビットコイン(の秘密鍵が)入ったハードディスクを無くし、パーになった。ビットコインが流通している国はどこか(最大は中国)、ビットコインの発明者は誰か、各国はビットコインをどのように扱うか(通貨と認めるか)、日本で今後普及するかなど話題が尽きなかった。
参加者数:24名