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Apr 22, 2013
Apr 19, 2013
第78回BAエグゼクティブサロン
講師:桑原知久氏(日本放送協会 編成局編成センター(デジタル) 編成主幹)
テーマ:「ソーシャル視聴から能動的視聴へ そしてハイブリッドキャストへ ~NHKデジタル いま何を目指すか~」
日時:4月19日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント:
NHKのデジタルコンテンツ編成責任者である桑原知久氏に、NHK放送技術研究所が開発した「ハイブリッドキャスト」サービスとは何か? NHKは何をめざすのか?を語って頂いた。
テレビ放送60年は、テレビ画面をぼんやり見つめる「受動的視聴」の時代であった。現代はテレビを見ながらSNSを利用する「ソーシャル視聴」が若者の間で増えて」いる(30歳以下でほぼ3割)。NHKは、SNS Twitter(@NHK PR(56万フォロー)、@NHK news等)、Facebook(写ねーる、Cool Japan等)、LINE(八重の桜、あまちゃん等)などを活用し、テレビ視聴を誘導している。
「ソーシャル視聴」の64%は、視聴中のテレビと関連のない内容。スマホやタブレットをもつ方に、もっとテレビを見て貰うため、「番組参加」の本格展開、双方向番組の可能性開拓を目指し、「能動的視聴」番組作りをはじめている。「番組参加」の本格展開の例として、Cool Japan(在留外国人や海外からの情報収集、コミュニケーションツールにFacebookを活用)、「ハートネット」(番組作りに、HPのカキコミを活用)などを挙げた。また双方向番組の例として、家族視聴ターゲットの「国民総参加クイズバトルQB47」を紹介した。NHKは、この「能動的視聴」番組を進化させた新しい視聴方法として、放と通信を連携させた「ハイブリッドキャスト」システムを提案している。
「ハイブリッドキャスト」は、放送波のイベント信号によりハイブリッドキャストサーバから、番組連動型アプリをTVに、セカンドスクリーン用アプリをタブレット/スマホ(セカンドスクリーン)に提供し、TVとタブレット/スマホの連携を可能にする。また、TVに常時提供の独立型アプリも提供、これらのアプリの制作は、汎用のHTML5ベースで行う。
ハイブリッドキャスト仕様対応テレビは、H25年度から市場に登場、年度前半は独立型(「ニュース常時提供アプリ」、「テレビ60年動画アーカイブス」など)、年度後半からは連動型(「クイズ番組」、「将棋番組」など)の試行サービスを予定している。
最後に、「ハイブリッドキャスト」は、放送側が通信コンテンツを制御し、完全な連携を図るサービス、格段のUIと表現力で、真の「能動的視聴」番組を開発し、「テレビって面白い!」 「テレビはお茶の間の主役」を取り戻すことを目指していると述べた。
交流会では、マルチスクリーン時代にあって、TV主体の「ハイブリッドキャスト」は普及するのか、家電メーカ、民放はどう動くかなどが議論された。
参加者数:33名