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Feb 17, 2011
第61回BAエグゼクティブサロン
講師:境真良 (国際大学GLOCOM客員研究員、慶應大学大学院非常勤講師)
テーマ:「デバイス=クラウド生態系のこれまでとこれから~iPhone/Android革命の波及メカニズムを考える~」
日時:2月17日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: 境先生に、持論のデバイス=クラウド生態系論について語って頂いた。
はじめに、最近、iPhone等が登場し、高機能デバイスはスマートデバイスと呼ばれるようになり、これまでのスマートデバイスとして、家庭用ゲーム機を挙げ、その歴史、使用OSを紹介した。また、スマート化の波は、携帯、テレビ、さらにノートPCに波及すると述べた。
次に、PCという生態系では、Intel・Windowsアーキテクチャーが覇権を握ってきたが、スマートデバイスでは、WinCEでなく、融通性に富むUnix-likeのiPhone/iOSや(オープンOSの)Android が勝つとみられると述べた。
また、PC生態系では、コンテンツは自由にコピーでき、有料課金が難しいが、iTunesは、専用デバイスを用い、垂直統合モデルによる有料課金を実現、スマートデバイスの環境においては、有料のコンテンツビジネスが可能になると述べた。
また、iPhoneは、電話もアプリの一つとした革新的な設計思想で、iアプリを超え、iOSやAndroidの進化は、スマートデバイスを普及・拡大させる。しかし、スマートデバイスの進化論と開放度の設計は効用が大きいが、難しさも増すとも述べた。
最後に、コンテンツ産業におけるデバイス=クラウド生態系論に言及した。PCは解放系、デバイスは閉鎖系と言われるが、クラウド時代のデバイスは、単純な閉鎖系でなく、PC系とつながりを持つようになる。このデバイス=クラウド生態系という新しい環境においては、著作権に対する考え方(権利行使行為主義/契約主義、強制解放制度の是非)、サービスの競争政策にも影響を与えると述べた。
今回は難しい卓話であったが、参加者は熱心に視聴し、交流会においても活発な意見交換が夜遅くまでが続いた。
参加者数:28名