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Mar 18, 2010

第53回BAエグゼクティブサロン


講師:遠藤論((株)アスキー・メディアワークス アスキー総合研究所 所長)

テーマ:「1万人調査からみる電子書籍 電子配信の行方」

コメント: 「電撃」と「ASCII」が統合した角川グループのリサーチ集団、アスキー総研を率いる遠藤所長に、「月間アスキー」編集長、書籍出版の経験、並びに1万人規模の調査データを基に、最近話題の電子書籍・電子配信の行方を語って頂いた。
はじめに、電子書籍の動向、2008年度は日本の電子書籍市場は464億円(全出版市場の2.2%)、米国は1億1,300万ドル(全体の0.5%)と日本が大きいが、米国は急成長中である。具体的な動向として、Amazon Kindle(2007年発売開始、はじめから新聞を提供、ダウンロード無料で価格決定権はAmazon、[0ドル]本が半数、実費出版が容易、日本版は2010年秋?)、Google Books(1000万冊スキャン(著作権切れ、絶版、出版社合意など)、2010年50万冊からダウンロード販売開始)、Book Server project(非営利団体Internet Archiveが書籍のスキャン開始)、Apple iPad(2010年4月販売開始、フルタッチ、9.7型液晶、iBook Storeを開設、新聞、ウエブ、音楽、写真、ワープロ、iPhoneアプリを提供)、SONY Reader(2009年12月発売開始)等を紹介した。次ぎに、1万人に「ネット」と「コンテンツ」をどう使っているかを聞くMCS調査(メディア&コンテンツ・サーベイ)の調査データ(年齢・性別による映画、音楽をどのような方法で楽しんでいるか、無料の「着うた」入手頻度等)を紹介し、マクロでは分からないミクロ情報の有用性をPRした。
最後に、①無料化、②本は崩壊するのか?③紙の終焉について語った。無料化では、「0グラム」のものは無料になる、使いやすくて不便なものが金になる(例:iPhoneの有料コンテンツ)と述べた。Amazonは2009年12月に、電子書籍が紙を超えたと言っている。書籍は、知と文字情報の再生産プロセスであり、本=ネットに、紙はスマートフオンかタブレットかに向かうのではないかと述べた。卓話に続く交流会でも、電子書籍の行方について活発な議論がおこなわれた。

参加者数:37名