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Dec 20, 2010
第13回BAクリエイターズサロン
講師:川井 拓也 氏 株式会社ヒマナイヌ 代表取締役 メディアコーディネーター
開催日時:平成22年12月20日(月) 19:00~21:00(18:45開場)
開催場所:東放学園キャリアーサポートセンター
テーマ:「USTREAMビジネス活用術」
参加者数:31名
講演会場風景と講演概要
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Dec 13, 2010
Nov 18, 2010
第59回BAエグゼクティブサロン
講師:今和泉仁(株式会社NHKエンタープライズ 国際事業センター 国際企画部 部長)
テーマ:「欧米におけるOTTとConnectedTVの動向」
日時:11月18日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: NHKエンタープライズの今和泉氏に、欧米のインターネットTVの動向を、映像情報を駆使して、ご紹介頂いた。
最初に、OTT(Over-the-Top)(インターネット上でのビデオ配信サービスを 既存のCATVやIPTVなどの有料サービスを「飛び越えて」直接TVのスク リーンに提供する)サービスの代表例の現状(下記)を映像で紹介した。
・BBC iPlayer(BBC全チャネルの放送番組の「キャッチアップ」サービスを 2007年から提供、様々な端末に対応)、・Hulu(NBC UniversalとFox NetwoksがYouTubeに対抗する目的に設立したJV、2008年からサービス開始、有料のhulu plusも提供)、・Netflix(アメリカにおいて、DVDの宅配レンタルからスタート、7.99ドルで動画(映画、TV番組など)配信サービスを各種端末(専用機、ゲーム機、iPhone等)に提供し、急成長(ユーザ数:1,700万)している。
次ぎに、ConnectedTV(ネット対応TV、並びにOTT系サービスやYou Tube、Flicker、Picasa、FaceBook、Twitter、Pandoraなどのインターネット 系サービスにアクセスする機能を最初から搭載したTVやBDプレーヤー) の動向を、9月に開催したIFA(独)、IBC(蘭)の見本市の情報をもとに紹 介した。IFA開幕直前、EBU(欧州放送連合)が主導する放送と通信連携 の規格HbbTV(Hybrid Broacast Broadband TV)サービス開始を発表、デモが展示され注目された。またソニーと連携開発したGoogleTV、PCライクなTVコンテンツ検索の映像を紹介した。
また、ConnectedTVに対する放送事業者の懸念(放送内容を毀損する等)、英国BBC指導で標準化されIPTV標準サービスYouView(2011年春にサービス開始予定)を紹介した。
最後に、アメリカでは、CATVや衛生放送の視聴をインターネットに切り替えるCord Cutting(コードを切る)が生起し始め、10年後にはOTTが放送を上回ると述べ、衝撃を与えた。
交流会では、日本における次世代インターネットTVが今後どう動くか、白熱した議論が行われた。
参加者数:32名
Oct 21, 2010
第58回BAエグゼクティブサロン
講師:野坂章雄(UQコミュニケーションズ株式会社 代表取締役社長)
テーマ:「WiMAXが切り拓くモバイルブロードバンドの世界」
日時:10月21日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: UQコミュニケーションズの野坂社長に、(UQ)WiMAXの特徴と高速モバイルブロードバンドがもたらす暮らし産業の変革の可能性について、語って頂いた。
はじめに、WiMAXの概要と特徴を紹介した。WiMAXは、IEEE802.16eとして制定された次世代ワイヤレスブロードバンド技術、 UQ WiMAXの商用サービスは、595MHz~2625MHzの周波数帯を用い、2009年7月から開始した。WiMAXの特徴は、世界標準規格、高速モビリティ(高速移動時でも最大十数Mbpsの通信が可)、広帯域・大容量(最大40MBps)、常時接続(ダイヤルアップ不要)にある。また、UQ WiMAXサービスは、ネットワークのみの提供で、オープン・モデル(MVNO)としても利用され、提供価値は、家の中でも外でも使える便利さ、速度が速くストレスなしの快適さ、業界最安の料金にあると述べた。
UQ WiMAXは、モバイルルータとして使う「Speed Wi-Fi」、KDDIの3Gと接続して使う「KDDIハイブリッドデータ端末」、WiMAXを内蔵した「WiMAXパソコン」など、様々な形態で利用される。
ワイヤレス・データトラフィックは、コンテンツの大容量化、端末の高機能化、 加入者の急増に伴い急増し、3Gのケータイネットワークはパンクする。この解決策に、高速ワイヤレスアクセス(BWA)環境をWiMAXにより構築する案が有力である。WiMAX内蔵により、様々な「価値」を提供し、次世代自動販売機、映像ライブ中継、WiMAX搭載カメラ、デジタルサイネージ、電子新聞・電子書籍、スマートメータ等、PCからnon-PCへ生活のあらゆるシーンでWiMAXは使われ、真のユピキタス社会の実現に貢献し、次世代インターネットの本命であると述べた。
交流会では、次世代携帯LTEとの関係を含め、今後のアクセス系がどうなるか、活発な意見交換が行われた。
参加者数:27名
Sep 30, 2010
第57回BAエグゼクティブサロン
講師:高川雄一郎(早稲田大学 国際情報通信研究センター 客員研究員)
テーマ:「どうなるICT市場の潮流~2010年後半戦を予測する~」
日時:9月30日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: 華為技術有限公司(Huawei Technologies)上級顧問等を務める傍ら、学究活動に従事している高川氏に、国際モバイル市場を中心としたICT市場の潮流、国際力の強化について、貴重なデータを披露しながら解説して頂いた。 はじめに、次世代モバイル方式LTE(Long Term Evolution)の概要、業界地図、導入状況(計画)を紹介し、移動通信事業者(MNO)の活路はLTEにあると述べた。
次ぎに、モバイルメーカの動向を説明した。基地局市場は、LTEについても北欧、中国の2大勢力の競争。端末市場は、2010年Q1は北欧勢(ノキア+ソニー・エリクソン)+韓国勢(サムソン+LG)が2大勢力だが、Q2以降はアップルが躍進、スマートホン市場が急成長すると述べた。
2014年末時点のモバイル市場は、3G(第3世代)が大部分で、次世代のLTE/WiMAXは217M加入、6.3%に留まると予測した。また、スマート・グリッド/スマート・メータのM2Mも注目されると指摘した。
次ぎに、巨大モバイル市場の中国、インドの動向を説明した。中国は、3MNOが3方式の3G(TD-SCDMA、WCDMA、CDMA Rev A)を導入。TD-SCDMAは中国独自規格で、国際標準化を目指しているが、中国外にも普及するか不透明。中国、インドでは、TD-LTEの導入が進むと予測した。
中国の携帯電話の販売数量は、2008年時点で1億5,800万台(日本の約4倍)、普及率は全国レベルで約50%。端末メーカは、ノキアとサムソンで55%をシェアー。シャープは3G高級携帯で参入しているが、シェアーは1%と少ない。また、今年に入って中国版Andoroidのスマートホン"Ophone"が販売され注目されると述べた。
世界の加入者数から見たMNOのトップ20を見ると、自国内市場に甘んじた米国、日本のMNOは世界戦略で出遅れ、北欧勢が2位、英(ボーダホン)、西(テレフォニカ)、仏(オレンジ)は統治国市場を抑え上位、NTTドコモは20位に低迷していると述べた。
最後に、モバイル市場の成熟化に伴い、世界のMNO業界再編が加速しており、NTTドコモのインド巨大財閥タタグループと連携したインド・海外戦略、テレフォニカと連携した南米進出、シャープ等の携帯端末、南米で採用された日本方式のモバイルTV(ISDB-T)に期待したいと述べた。また、日本のICT国際競争力復活には、韓国や中国に負けない海外に根をはった対応、チャレンジ精神が必要と述べた。
交流会では、国際競争力の強化について、活発な意見交換が行なわれた。
参加者数:34名
Sep 21, 2010
Aug 05, 2010
「コンテンツアクティベ-ション研究会報告書 2005年度 -ブロ-ドバンドコンテンツビジネスの飛躍に向けて-」
NPO法人ブロードバンド・アソシエーション(BA)は、新しいブロードバンドコンテンツビジネスの創出・発展に寄与する為、「ブロードバンドアクティベ-ション研究会(CA研究会)」(委員長:金子満(東京工科大学 メディア学部教授))を設置し、主として映像コンテンツ制作の側面から見たコンテンツ流通促進の諸課題の抽出と解決策を提言することとしている。
本報告書は、2005年度にCA研究会で調査検討、議論した内容を取りまとめたものである。その内容は、ブロードバンドコンテンツ流通の状況を概観した上、今後のブロードバンドコンテンツビジネスの飛躍に向け、①ブロードバンドコンテンツの実態調査、②企業によるブロードバンドコンテンツの活用事例を記述した。さらに、③年間を通じて、通信、放送、コンテンツ制作3者の立場から議論した内容を仮想座談会の形式で集約し、ブロードバンドが内包する可能性と問題点について俯瞰した。 報告書目次(PDF形式)
Jul 22, 2010
Jul 15, 2010
第56回BAエグゼクティブサロン
講師:阿佐美弘恭(株式会社NTTドコモ 執行役員 コンシューマサービス部長)
テーマ:「モバイルでの検索エンジンとエージェントサービス(iコンシェル)の動向」
日時:7月15日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: NTTドコモのiモードサービスの責任者である阿佐美弘恭部長に、ケイタイの進化、検索エンジンとiコンシェルサービスの動向について解説して頂いた。
はじめに、モバイル検索サービスの利用動向(全体利用傾向、モバイルにおける特徴、パーソナルな使い方)を解説した。次ぎに、検索サービスのユーザニーズは、①求める答えを1ページに出す、②パーソナルな用途(生活・行動支援、娯楽利用、リアルタイム性)に答えることにあると述べた。その上で、モバイル検索サービスのリニューアルの狙い、"iモード検索ダイレクト表示機能"(生活・行動、娯楽利用のニーズに直接答える情報、季節や日・時に対応したリアルタイムな情報表示)、"iモード検索カスタマイズ機能(登録地域を反映した情報表示)"の概要を説明した。また、検索をもっと便利にするため、技術の進化(タッチパネル、音声入力、現在時間・現在位置情報の加味等)を捉え、活用していくと述べた。
引き続いて、iコンシェルの取組と展望について述べた。ケイタイのパーソナル化は、"検索"から"エージェント"、生活支援(○○ができる)から行動支援(自分にあった○○をしてくれる)に向かう。ドコモは、2008年から行動支援のiコンシェル(ひつじのしつじくんが手伝う)サービスをはじめた。最近、オートGPSにより、新しい"行動支援型サービス"(位置情報をサーバーに5分間隔で自動送信、指定エリアに入ると、インフォメーションで知らせる)が可能になり、2010年度のiコンシエルの契約数は倍増(420万→720万)すると言う。また、iコンシェルの企業利用にも取り組んでいると述べた。最後に、iコンシェルサービスをもっと提供しやすく、パーソナライズをもっと自由にできるオープンなプラットフォームへの進化を目指すと述べた。交流会においても、今後のケイタイの進化、スマートホンの動向等について、活発な意見交換が行われた。
参加者数:28名
Jun 25, 2010
Jun 17, 2010
第55回BAエグゼクティブサロン
講師:丸山不二夫(早稲田大学客員教授、日本Androidの会 会長)
テーマ:「クラウドとクラウド・デバイス」
日時:6月17日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: 最先端のIT技術に詳しい丸山氏に、最近注目されているクラウドとクラウド・デバイスについて、写真やデータをもとに、詳細に解説して頂いた。
はじめに、ハードウエアの進化について述べた。ムーアの法則による半導体の高集積化・高機能化が進み、その典型が、CRAYの能力を持つ携帯や、クラウド・コンピュータのエンジンに見られると解説した。
次ぎに、インターネットの衝撃とクラウドの誕生について述べた。インターネットは、Webの登場により個人の情報が増大し、個人と個人の情報共有、コミュニケーションに便利なソーシャルメディア(Blog、Youtube、Facebook、Twitterなど)の登場は、新たな情報増大の爆発をもたらした。このWeb2.0世代の情報爆発とインターネットのグローバル展開が「Webスケール」という概念を生み、Googleが2004年に「インターネット・クラウド」を成立させ、アマゾン、マイクロソフトが「エンタープライズ・クラウド」(=「クラウド」)を誕生させたという。
最後に、クラウドとクライドデバイスについて述べた。世界の携帯は、2010年に50億を超え、携帯からのWebアクセスは5年以内にデスクトップPCからのアクセスを追い越し、クラウド・デバイス(iPhone、Android、Kindleなど)に移行し、クラウド・プレイヤーはネットワーク・メディア産業にシフトする。また、20世紀に発達したメディアは、統合された新しいネットワーク・メディア、パーソナルメディアに急速に変化する。この変化は、コミュニケーションと情報共有への強い志向であり、IT技術革新の動きは、クラウドとクラウド・デバイスを中軸とするメディアのネットワーク化の中で、さらに活発化すると述べた。
卓話後の交流会においても、今後のIT技術革新の動向について活発な意見交換が行われた。
参加者数:36名
Jun 03, 2010
May 18, 2010
「超ガラパゴス研究会」研究成果(提言資料)の公開について
日本のIT企業は、潜在的優位性を持っているが、国際競争力・存在感が低下し、展望が開けない状況にある。
このような認識のもと、IT国際競争力の強化に向け、夏野剛(慶應義塾大学 特別招聘教授)を委員長とするIT国際競争力研究会(超ガラパゴス研究会)を、昨年4月に設立し、通信業界、電機業界、コンテンツ業界を対象に、12回にわたり、記者公開形式で開催してきた。
この研究成果(提言)を、平成22年5月18日、「第2回ブロードバンド特別シンポジウム」(開催場所:慶應義塾大学 三田キャンパス)において発表した。また、この模様を、ニコニコ生放送でライブ中継した。
ここで発表した"超ガラパゴス研究会 通信・電機・コンテンツ業界への提言" は、IT国際競争力を強化する具体的施策案であり、問題意識のある人たちに検討成果を幅広く共有するため、提言資料を(PDF形式で)広く一般に公開する。
詳細はこちらから(PDF資料)
Apr 14, 2010
第54回BAエグゼクティブサロン
講師:宮井宏(パナソニック(株)AVCネットワーク社 高臨場感AV開発センター所長)
テーマ:「パナソニック3Dの取り組み-フルHD方式の提案と標準化-」
日時:4月14日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: 3D(3次元)映画「アバター」が大ヒットし、この4月から3Dテレビが本格発売され、今年は3Dテレビ元年と言われている。この開発、商品化で先頭を走っているパナソニックの3D開発責任者、宮井宏所長に、パナソニック3Dの取組みについて語って頂いた。
はじめに、3D映画はハリウッドで本格化、2010年の作品は31以上になる。3Dの劇場上映の収入は2Dの3~4倍、デジタルシネマ化も推進し、Blue-rayの成長にも貢献する。また、3D放送が日米欧で、2010年に開始すると述べた。
次ぎに、パナソニックは、2008年に劇場の3D映画を家庭で忠実に再現するフルHD3D方式(1920×1080p×2ch)を提案し、BLU-ray、HDMIフォーマットの規格化を推進、3D映像をシテム全系での劣化なしに再現する機器の開発に取り組んだ。また、3Dの普及に向け3D Blu-rayオーサリングシステムも立ち上げたと述べた。
次ぎに、「自然界」と「二眼式3D」の違いを説明し、快適3Dは、コンテンツ制作における飛び出し(近方)、奥行き(遠方)の視差量と、ディスプレイ視聴距離が重要であると解説し、家庭における視聴距離(画面の高さの)3倍を前提に、コンテンツ制作を視差量±1度以内とするガイドラインを設定していると述べた。最後に、大画面プラズマビエラの上位機種として販売する3Dプラズマビエラの優位性、End to Endでのパナソニック総合力をPRした。
交流会では、3D普及の行方、眼鏡なし3Dの可能性などについて活発な意見交換が行われた。
参加者数:34名
Mar 18, 2010
第53回BAエグゼクティブサロン
講師:遠藤論((株)アスキー・メディアワークス アスキー総合研究所 所長)
テーマ:「1万人調査からみる電子書籍 電子配信の行方」
日時:3月18日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: 「電撃」と「ASCII」が統合した角川グループのリサーチ集団、アスキー総研を率いる遠藤所長に、「月間アスキー」編集長、書籍出版の経験、並びに1万人規模の調査データを基に、最近話題の電子書籍・電子配信の行方を語って頂いた。
はじめに、電子書籍の動向、2008年度は日本の電子書籍市場は464億円(全出版市場の2.2%)、米国は1億1,300万ドル(全体の0.5%)と日本が大きいが、米国は急成長中である。具体的な動向として、Amazon Kindle(2007年発売開始、はじめから新聞を提供、ダウンロード無料で価格決定権はAmazon、[0ドル]本が半数、実費出版が容易、日本版は2010年秋?)、Google Books(1000万冊スキャン(著作権切れ、絶版、出版社合意など)、2010年50万冊からダウンロード販売開始)、Book Server project(非営利団体Internet Archiveが書籍のスキャン開始)、Apple iPad(2010年4月販売開始、フルタッチ、9.7型液晶、iBook Storeを開設、新聞、ウエブ、音楽、写真、ワープロ、iPhoneアプリを提供)、SONY Reader(2009年12月発売開始)等を紹介した。次ぎに、1万人に「ネット」と「コンテンツ」をどう使っているかを聞くMCS調査(メディア&コンテンツ・サーベイ)の調査データ(年齢・性別による映画、音楽をどのような方法で楽しんでいるか、無料の「着うた」入手頻度等)を紹介し、マクロでは分からないミクロ情報の有用性をPRした。
最後に、①無料化、②本は崩壊するのか?③紙の終焉について語った。無料化では、「0グラム」のものは無料になる、使いやすくて不便なものが金になる(例:iPhoneの有料コンテンツ)と述べた。Amazonは2009年12月に、電子書籍が紙を超えたと言っている。書籍は、知と文字情報の再生産プロセスであり、本=ネットに、紙はスマートフオンかタブレットかに向かうのではないかと述べた。卓話に続く交流会でも、電子書籍の行方について活発な議論がおこなわれた。
参加者数:37名
Feb 18, 2010
第52回BAエグゼクティブサロン
講師:川邊健太郎((株)GyaO代表取締役社長、ヤフー(株) メディア事業統括本部 メディアサービス本部 メディア企画部長)
テーマ:「株式会社GyaO!の展開とYahoo!JAPAN映像事業の再構築について」
日時:2月18日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: ヤフー(株)は、昨年、(株)USENから、無料動画配信サービスを行っていたGyaO(ギャオ)の株式51%を取得して子会社化、「Yahoo!動画」と統合して、ユーザー 数が1000万人を超える「GyaO!」が誕生した。この新生「GyaO!」の社長、川邊健太郎氏(35才)をお招きし、新生GyaO!の展開とYahoo! JAPAN映像事業の再構築 について語って頂いた。
はじめに、新生GyaOのビジョンは、"広告主、権利元、パートナーとの協業を通じ、「映像」の力でネット社会に新たな価値の提供"であると述べた。また、ターゲットは、広告媒体としての最適化の視点から20代に設定し、Yahoo!トップページの映像トピックスから、GayaO!無料映像視聴、次ぎにGyaO!ストア有料映像視聴に誘導していくと述べた。
次ぎに、ビジネスモデル、広告(テレビCMではなく、ネットならではの新しい形式の広告商品)、お客様への課金(見逃し視聴、大作視聴のオンデマンド課金)、アフリィエイト(DVDやグッズ販売等の手数料)、映像配信プラットフォームサービス(テレビ局等の事業者向けネット映像配信基盤の提供)について述べた。広告では、1社提供型プロモーション、ターゲッティング配信、インタラクティブビジョンを行い、インターネットCMのクリック率(CTR)は441%向上したと述べた。
最後に、映像配信事業における2大コストは、配信コスト(Yahoo!Japan全体のトラフィック量が2倍になる)、映像配信作品調達コスト(MG(ミニマムギャランティ)の存在)で、コスト削減を徹底(MGはしない等)し、昨年12月に単月黒字を達成、第4四半期の黒字化を目指していると述べた。交流会では、ビジネス連携に向けた意見交換が活発に行われた。
参加者数:38名
Jan 19, 2010
第51回BAエグゼクティブサロン
講師:壇俊光(北尻総合法律事務所 弁護士 Winny弁護団事務局長)
テーマ:「BAエクゼクティブサロン講義 Winny事件について」
日時:1月19日(木)18:00~20:30
場所:NTTデータ本社(江東区 豊洲3-3-3 豊洲センタービル)
コメント: Winny事件は、昨年10月、高裁で無罪判決、その後、検察が上告し、最高裁で決着をつけることになり、注目されている。このWinny事件と、著作権を巡る法的問題について、壇俊光弁護士に、豊富な資料をもとに、詳細に解説して頂いた。
はじめに、Winnyとは、キャツシュ型P2Pファイル共有ソフトの一つ、世界中に数百種あるが、Winny事件のようにソフト開発者・提供者が刑事事件に問われるのは世界的に希、Winny事件は、刑法、著作権法、情報処理技術の3分野に跨る最先端の事件であると述べた。
次ぎに、Winny 事件に関連する著作権の法的問題について、海外の裁判事件を例に詳細に解説した。また、Winny事件裁判の論争点、実施状況を解説し、検察官の「被告人は著作権侵害まん延目的、Winnyは専ら著作権侵害のための技術」との主張、著作権侵害の幇助が成立するかどうかが焦点になっていると述べた。
また、Winny事件の悪影響として、日本の開発者は萎縮し、P2P関係の開発が大きく遅れ、著作権周りのグレーゾーンにふれる技術開発をしなくなり、IT分野で韓国や中国に遅れをとりつつある。また、Winnyは、YouTubeや、ニコニコ動画や、BitTorenntなどと本質的にかわらず、Winnyの開発が続いていたら、動画共有サービスをさらに発展させ、商用サービスのインフラとなった可能性もあると述べた。最後に、コンテンツビジネスは、利用者保護と権利者保護の両方が必要である。現在の議論は適正なものか? そんな議論に警察が口を出すべきではないと述べた。質疑は、活発、長時間に渡り行われ、交流会でも、熱心な議論が続いた。
参加者数:32名